Share

第一章 1   美しき転生者

Penulis: KAZUDONA
last update Terakhir Diperbarui: 2025-12-02 18:12:54

 目が覚める。大の字に寝ていたようだ。見たことのない木々の間から真っ青な空が見える。森かな? マジかよ……どうやら本当に転生したみたいだ。大きく深呼吸をすると、田舎に帰ったときよりも美味しい空気だった。都会の喧騒で汚染されたものと違い、沁みわたるような感覚を覚えた。とりあえず起きよう、上半身を起こしたとき頭の中で声が響く。

【あっ、おはようございますー。私でーす、私ー】

 ん? このはっちゃけたときの井上麻里奈さんみたいな声は……、どうやら女神アストラリアの様だな。

(えーと、私私詐欺ですか?)

 心が軽く体も力が漲るようで、憑き物がおちたように思考もクリアだ。

【切れっ切れの返しですねー。そうです私ですよー、あなたの素敵な女神アストラリアですー。色々と設定し忘れたことがあるので、これから決めていきましょう。それと冒険や戦闘の指南です。所謂チュートリアルってやつですねー】

 なんか抜けてる女神様だな。でもとっつきやすくて気安い感じだ。

(何でしょうか? 決めてないこと?)

 うーん、と頭を捻る。

【ほらー、まずは名前ですよー名前! 日本人ネームのままだとここでは違和感があるでしょうから、現在の名前から多少いじって作りましょう】

 そういうもんか。ナギトでもいいけどそのまんまだしなあ。違和感ないとは言い切れないし、新しい人生だ。この際変えるのもアリだな。

(じゃあ、和士ナギトの和のところを別読みで、カズ、ファンタジーぽいなら『カーズ』でいいですか?)

 ぶっちゃけ名前とかどうでもいいんだが、折角だしな。乗っておこう。ゲームでもたまに使う名前だし。因みによく間違われるが、呪いはカース、curseだ。

(名字はどうしましょうか? アストラリア様、センスのある変換お願いします)

 丸投げでも女神様のがセンスは良いだろう。ぶっちゃけそういうのめんどくさいんだよね。

【あらー、いいんですかー? では一色をもじって……今のカーズさんはご希望通り赤髪に毛先に金のメッシュが入ったような色合いですから、まあ赤色ってことで『ロットカラー』なんてどうでしょうかー?】

 流石の女神様。カッコイイ。ロットとかロッソってラテン語で赤だよな。てかそんな色になってるんだな。長めの前髪を引っ張って見てみる。うん、近すぎてよくわからんな。

(カーズ・ロットカラーか、いいですね! もうそれでOKです)

【やっぱり決断早いですねー。ではそれで設定しますねー】

(はい、お願いします)

【名前設定完了! ところで私も意識を飛ばしてあなたと冒険しようと思います。カーズさんは史上初の転生者ですから行動を共にして、色々とアドバイスなんかをさせて下さい】

 確かに女神様のサポートがある方がトラブルも少ないだろう。聞きたいこともたくさん出てくるだろうし。でも一人の人間なんかについてて大丈夫なんだろうか? 疑問は残るが……。今のところは気にしないでおくか。

(なるほど、了解です。これからよろしくお願いします、女神様)

【はーい、こちらこそ! ちなみに女神様なんて堅苦しいので、フランクに名前呼び捨てで構いませんよー? あと丁寧語じゃなくてもいいですしねー】

 神様を呼び捨ては……、心の中ではよくとも流石に本人に対しては気が引ける。というか畏れ多い。転生させてくれた上に病気も治してもらった、恩がある方だ。抜けてる感はあるけど。

(呼び捨てはまだハードル高いですね)

【ではではー、アリアとお呼び下さい。私のあだ名ですし、距離が近くなった感じでしょう?】

 少々逡巡して、これからも長く付き合うことになるんだし仕方ないか、彼女自身がフランクな関係を望んでいるようだし。頑なに拒むのも悪い気がする。

(うん、じゃあわかったよアリア。これからもよろしく。頼りにしてる)

【うふふー、デレましたねー。カーズさん、こちらこそお願いしますねー】

 嬉しそうな声が頭に響く。しかし神様をあだ名呼びか、妙な気分だ。因みに俺は別にツンデレでも何でもない。

(でもアリアは丁寧語だよね? 疲れないのか?)

【私はこれが素ですのでー、お構いなくー】

 まあ本人がいいならいいか。そういうことにしておこう。それよりも聞きたいことや知りたいことが山ほどある。とりあえずは自分の状態だ。

(じゃあアリア、今俺の状態ってどんな感じなの? さっきから妙に声が高いのも気になるし。容姿の変化とかステータスみたいなのを見たいんだけど)

 見た目はまだわからないが、声がクールな役の時の富田美優さんみたいなんだよな。

【ではアイテムに手鏡を入れときましたから出してみて下さい。空間に手を潜り込ませて取り出したいものをイメージすると異次元のアイテム収納庫ストレージにアクセスできますからやってみてください】

(空間に手を潜り込ませるイメージね、やってみよう。こうかな?)

 言われた通りにやってみると突っ込んだ空間から取っ手のある大きな鏡が出てくる。すごい! 謎のテクノロジー過ぎる! これが魔法ってやつか?! 原理は全くわからんけどね。

(よしできたー、じゃあ新しい外見をチェック! ……ん? これ誰?)

 そこには前世の面影など全くない、ていうか全くの別人、少し強気な目つきをした超絶美しい女性が映っている。整った顔立ちに目鼻立ち、輝く様な蒼い碧眼。瞳も大きくまつ毛も長い、フッサフサだよ。髪の毛はセミロングくらいか、赤を基調としたさらさらの髪に毛先は金色が混ざっている。そして結ってもないのにツインテールのようなくせっ毛が生えている。そして頭の真ん中辺りにくるっと巻いたようなアホ毛。謎の髪型だ。ていうか誰だよ? このべっぴんさんは?

(なあアリア、まさかこれって……。俺?)

 不可解な顔をする俺に対してアリアは、ニヤニヤした口調で答える。

【超絶美しいでしょう?! 少々私の因子も取り入れましたしー、もう見た目は姉妹のようですよ(笑)】

 すごくいい仕事をしたぞっていうようなドヤ声が頭に響く。ちょっとキレイ目にしてって言っただけなのに。確かにアリアの見た目と被るような気がするでもない。自分のことを超絶美しいと言ってるみたいな台詞だな……。

(ちょっと待て、まさか……!)

 ものすげー嫌な予感がして、自分の胸部をまさぐる。幸いなことにペタンコだ。でもまだ油断はできない、股間に手をやってみる。……あった、良かった。しかしアラフォーのナイスガイが見る影もなくなってしまった。まあ新しい人生だし気にするのはやめよう。俺は切り替えが早いやつなんだ。

(何だろう、かろうじて男って感じがするよ。……はぁ、自己統一性の危機だ)

【お気に召しましたかー? いやー頑張ってよかったです。ゲームのアバターとかにやたら手が込んでる人の気持ちがわかりましたねー】

 コノヤロー……。絶対女と間違われる事案だ。神様にとっての美しさの基準とか全くわからねーよ。しかもゲームとかしてんのか、神様って暇なのか?

(もう先で起こるトラブルが目に浮かぶようだわー……、はぁ―――)

 これ以上ないレベルの溜息が出る。この見た目だ、男の視線が刺さりそうで寒気がする。

【あれー? やっぱり完全に女性にした方が良かったですかー? もー、それならそう言ってくれないとー】

 ヤバイヤバイ、そんな軽いノリで性別まで変えられてたまるか。

(いやいい、男で良かったよ。これで女だったら犯罪に巻き込まれかねない)

【魔力をコントロールしたら完全に女性の体にもなれますよ。というか私の因子を組み込んじゃったから体的には女性にした方が消耗が少ないです。潜入ミッションとかあったら便利でしょうねー】

 こいつは……、遊んでやがるな。て言うか『神の因子』なんて意味不明なもの組み込むんじゃねーよ。しかも女性のって! それにそんなミッションなんか受けたくもない。しかし性別までコントロールできるのか? 魔法、魔力ってすげーな。いや、別に興味があるわけじゃないよ。心の中で言い訳しておくけどね。

(何でそんなヤバそうな因子を組み込むようなことしたんだよ?)

【不老不死の体を創造するにはそれが一番手っ取り早かったので、テヘペロリンチョ。カーズさんの体は魔力が常人ではありえない勢いで循環しています。それで若さや命を保っているんですよ。でも老いて死ぬことはないですが、致命傷を負うとさすがに死にますよ。だから注意してくださいね。神様でも死ぬんですからね】

 まあそれはそうだ。それで死ななかったらもう化け物だしな。そこは注意しとこう。てか今テヘって言ったぞ、古いよ。いや、テヘペロリンチョって何だよ? それに神様も死ぬのかよ、怖いな。

【では次にステータスやスキルについて説明しますねー】

 起きてしまったことは仕方ない。アリアも彼女なりの善意でやってくれた……のかはともかく、若い姿でいられるってのはいいことだ。ウキウキしながら次の説明に入ろうとするアリアをたしなめながら、俺はこの先のトラブルを避けることを超真面目に考えないといけないと思った。

 美人を何となく目で追っちゃうのは男のサガだろ? 誰もがわかってくれるよね? それが自分に向けられる可能性。男性諸君、恐怖しかないだろ?!

Lanjutkan membaca buku ini secara gratis
Pindai kode untuk mengunduh Aplikasi

Bab terbaru

  • OVERKILL(オーバーキル)~世界が変わろうと巻き込まれ体質は変わらない~   第五章 90  Devastation The Huge Stampede & The Last Demon!

     ヨルムに乗って南門の外まで飛ぶ。「来い! 神剣ニルヴァーナ!」「お願い、ルティ!」「あいよー」「星芒より来たれ! クローチェ・オブ・リーブラ!」  各々が自分の武器を構える。南門前に着地させたヨルムから見る、南門に迫り来るベヒーモスの大軍。東門の方にも反応がある。黒や青や赤など、様々な色をした数十m以上はある巨体に、二本の巨大な角、四足歩行の全身を分厚い獣皮が鎧の様に覆われている。こいつは確かに並の武器じゃ傷一つ付けられないだろうな。 だが俺達には神格に神気、神器やそれに匹敵する武器がある。怖れることはない。そして神気を放った状態でヨルムと両親の再召喚を行った。陽子を破壊できる俺達にとっては紙切れも同然だ。「先ずは挨拶代わりだ。いけ、ヨルム!」「任せよ主! 受けろ、我が輝くブレスを!」 ドゴアアアアアアアアアアアアッ!!! 神気を纏った極光の竜の息吹が、放射線状に放たれ大地を敵ごと抉る! グギャアアアアアアア!!! 凄まじい威力のブレスに、迫り来るベヒーモス共が粉砕されていく。だがまだまだだ、俺の千里眼と鷹の目には、南東にある大迷宮から次々に敵が飛び出して来ているのが視える。どんだけいるんだ? 数万は下らないだろうな。だが俺達だけで掃討する!「アヤ、母さん! 南門の防衛と援護は任せる!」「任せて!」「はーい、漸く母さんの出番ねー」 ババッ! 飛び降りる二人。「イヴァ、親父! 東門にも反応がある! 二人はそっちを頼む!」「よっしゃー、行くぜ猫嬢ちゃん!」「任せるのさー!」 ダンッ!!「全員逆探知を発動させて自分達にターゲットを絞らせろ! エリック、ユズリハ、ディードは目の前の敵の掃除を任せる!」「はい! カーズ様!」「オッケー!」「任せときなー!」 ドンッ! 同時に飛び出す三人。「アリア、視えてるんだろ? 操られてる神獣達が」「ええ、神龍ケツアルコアトルにグリフォン、フェンリルにフェニックス。どうやら大将首は神鳥フェニックスに乗っていますね」「なるほど、ダカルーのばーちゃんの時と同じだな。アリア、グリフォンはお前がどうにかしろよ。ケツアルコアトルは、竜王兄妹、お前達に任せる! 行け!」「ハイハーイ、気が乘らないけど行って来ま―す」

  • OVERKILL(オーバーキル)~世界が変わろうと巻き込まれ体質は変わらない~   第五章 89  カーズの闘い・迫り来る危機

     舞台に乗ってストレッチをしていると、逆方向からハゲが上がって来た。「「「ハーゲ!!! ハーゲ!!!」」」 うーん、凄い声援だが地味に悪意を感じるな。まあ、あんなのでも国民には愛されてるのかな? とでも思っておくか。俺が毛根破壊したんだが、ちょっと不憫だ。「やはり貴様とは殺り合う運命のようだな。神殺しのカーズ!」 また変なことを言い始めたなあ。厨二か? やだやだ。それにダメージ肩代わり魔道具あるから死なねーよ。「いやいや、偶々くじ引きでそうなっただけだろ? 俺もあの竜騎士と闘いたかったんだけどなあー」「フッ、そうか。俺と闘うのが怖かったということだな」「いや、あいつの方が強いだろ? 意味の分からん敵意をぶつけてくるから、ぶっちゃけお前は面倒くせーだけだ」「おのれ…、貴様……!」「聞いたけどさー、お前自分がSランクの最速保持者だったんだろ? 所詮記録なんていつか塗り替えられるもんだ。今の最速はウチのニャンコだ。そんなしょうもない程度のことでイラついてたらストレスでハゲるぞ? あ、悪い、もうハゲてるんだったな。ごめんなー、ストレスかけて。俺に勝ったら治療してやるよ」 まあこいつの態度次第だけどね。「くっ……、貴様にはSランクの誇りは、プライドはないのか!?」 何だそれ? プライドチキンにプライドポテトか?「ねーな。そんなのしょうもないもんがあったら20ギールで売ってやるよ。後、ウチのPTが美人揃いだとか、邪神を斃したとか、そう言うのが気に入らないんだってな? 只のやっかみだろ。お前はガキか? そんなことにエネルギー割くくらいなら鍛錬でもしろよ、くっだらねーな」「貴様ああー…! 言わせておけば……!」 語彙が少ないなあ。そんなんで口で俺に勝てるとか思わないことだな。これでも元教師、アホなモンペのクレームとかで慣れっこなんだよ。いくらでも口が回るからな。『さて遂に最終戦ですが、ここまで我がリチェスター勢は連戦連勝。そしてリチェスター及び、現在世界中のSランク最強のカーズさんが相手。ハ、ゲフンゲフン、ガノン選手には打つ手がありますかね? アリアさん』『うーん、いや無理ゲーでしょー。レベルも3倍以上の開きがありますし、カーズはああいうヘイトばら撒く小物が大っ嫌いですからね。まあでも手加減しながら色々と技

  • OVERKILL(オーバーキル)~世界が変わろうと巻き込まれ体質は変わらない~   第五章 88  竜騎士攻略・ハゲVSイヴァ?

     魔導具を起動させて、エリックが舞台へと上がる。そして逆方向からは竜騎士のカセルが舞台へ跳び上がって来る。「「「カセル!!! カセル!!!」」」 凄い声援だな。先程のソフィアの時も凄かったが、この人は相当の人気だ。青銀と群青色の色彩の全身鎧だが、昨日の暗黒騎士のサウロンよりは軽量だ。頭にも竜の頭を模した様なヘルム。FF4の竜騎士みたいな装備だ。そして武器はやはり槍か。穂先が結構長めのスピアだな。刺突にも斬撃にも対応可能な2m程の長さの槍。鑑定、ドラグーン・スピアね……。やはりSランクか。何処で手に入れたんだろうな? 後で聞こう。  スピアとは英語で『槍』を意味する言葉の一つ。槍全般を指す場合は『スピア(spear)』が一般的だが、馬上槍は『ランス(lance)』、長槍は『パイク(pike)』など呼び分けはされている。最も、スピアタイプの槍をランスと呼んでいたりもして、呼称の使い分けは厳密ではない。   スピアとランスはよく混同されるが、決定的な違いがある。スピアは片手もしくは両手で扱うことができる歩兵槍のことだ。振り回し、先端に付いた刃で刺突・斬撃が可能。投擲用のスピアは『ジャベリン』とも呼ばれる。  対してランスは、中世から近代まで主にヨーロッパの騎兵に用いられた槍の一種。語源はラテン語で槍を意味する『ランケア(lancea)』、日本語では、『騎槍』とも訳される。単純に馬に乗った状態での専用武器のため、馬に乗ってない場合は全く使えないシロモノだ。 戦場だけでなく馬上槍試合でも用いられたランスは、『兜・鎧・剣・メイス・盾』と並ぶ、騎士を象徴する装備の一つであり、ファンタジーRPGなどでは、細長い円錐の形に『ヴァンプレート』と呼ばれる大きな笠状の鍔がついたものがよく描かれているが、必ずしも全てのランスがその形状をしているわけではない。 ランスと他の槍との決定的な違いは、基本的に刃物がついておらず、棒の先が尖っているか、前述した円錐型をし、敵対者を突き刺して攻撃するのが最も効果的な武器である点だ(この先端の形状は国によって異なる)。また、長さも特徴の一つで 一般的な片手武器の中でずば抜けて長く、4~5メートルを超えるものもあり(一般的なランスは扱い易くするため2m前後だが、それでも片手武器では一番長い)、接近戦闘用の

  • OVERKILL(オーバーキル)~世界が変わろうと巻き込まれ体質は変わらない~   第五章 87  Sランク対決イベント開幕

     Sランク同士の興行試合の日になった。時間的には昨日と同じくらい。みんなリラックスしながら俺の部屋でスタンバっている。後は城の使いの人が迎えに来るのを待つだけだ。 昨夜の夜這い連中はアヤが目を覚ました時に、ベッドの左半分を占拠する様に鼾をかいてだらしなく寝ていた。そして事情聴取からの当然怒られていた。だからやめろって言ったのになあ。「「「「次はうまくやるし/やります/やるわー/やるのさ……」」」」 まあどう見ても反省してないけどね、こいつら……。全く、なんでこんなことをするんだか……? しかもまたやる気だし…もう知らね。「今日もアリアの姿がないということは……、やっぱり実況やるんだろうな」「昨日楽しそうだったもんねー」 アヤが答える。だよなー、絶対面白半分でやるだろうな。「盛り上がってたし、いいんじゃないの?」「今更なあー、あの人に何か言っても無駄だろうぜ」 エリユズの言う通りだな。あのアホは面白いと思ったことに対しては全力で命をかけてでも取り組むやつだからなあ。取り敢えず俺は両親がゲストに呼ばれないことを祈ろう。念の為に後で念話も送っておくか。「今日は恐らく昨日以上にレベル差がある分、更に一方的になるだろう。相手の仕掛けて来るスキルやら魔法、魔力撃も全て俺らに傷をつけられない。だから取り敢えずは一通り相手の手の内を見てやろう。俺達が先に仕掛けたら、そこで試合終了だ。一応イベントだし、多少は盛り上げさせないとな」「面倒臭いけど、仕方ないわよねー」「ちんたらしてたら先にしばきそうだけどなー」 この二人の戦闘狂なら充分ありえそうだが、折角の貴重な対戦だ。一瞬で終わらせるのは勿体無い。「まあ、そうかも知れないけどなあ。一応相手の戦術やらを見てみようぜ。相手のが俺達よりも形式上は先輩なんだし。あ、そう言えば俺はあのハゲと対決させられるんだろうか? ぶっちゃけ嫌なんだけど」「昨日の対戦順とかも勝手に決められてたし、違う相手かも知れないよ?」 アヤが言う様に、確かにプログラムとかもなかったし、世界的なイベントの割には意外と杜撰だよな……。勝手に実況までやってたくらいだし。盛り上がれば何でもいいのかね? 文化が中世だしそこまでキッチリじゃないのかもな。「そうだな。まあ誰が相手でもいいか。あのハゲは豪

  • OVERKILL(オーバーキル)~世界が変わろうと巻き込まれ体質は変わらない~   第五章 86  懲りない女性陣・カーズの受難?女難?

     うーん、どうしてこうなった……? 二回目。 城下のお祭りから、まだ食い続けているアリアを放置して某人気走る娘の様に腹ポコ状態のイヴァとルティを回収して帰って来た迄はいい。そしてみんなで一旦風呂にしようということで大浴場に向かった。普通は男湯に入るよね? でも女性体状態でピンクの浴衣に髪の毛も飾られている状態で男湯の暖簾を潜ろうとしてた俺は、女性陣に全力で止められた。まあ、冷静に考えたらこの状態で入るのは問題あるよね。中で男性体に戻ればいいんだが、その前に絶対に全身を「なんだなんだ?」って感じで見られるだろうし……。 でもね、躊躇なく女湯の暖簾を潜れる程、俺は自分を捨ててないんだよ。女性陣に散々説教されて、仕方なく女性体のまま女湯に入り、体を洗って、髪の毛は何故かみんなが我先にと言わんばかりの勢いで洗ってくれた。いやあ、ありがたいけどツラいな……。「お前は毎回無駄に苦労するよな……」 というエリックからの同情と憐れみの視線はともかく、「女風呂に堂々と入れるとか最高っすね、兄貴は!」 と思春期丸出しの発言でチェトレに蹴られていたアジーンにまで、変な気の遣われ方をされるというツラさ。まあね、見た目の性別は変えられるよ。でもねー、中身? 精神は男なんだよ? ウチの女性陣が多分おかしいんだろうと思っていたんだが、いや寧ろ気を遣ってくれているのかも知れないと最近は思う様になってきた。自宅でも女性陣の方が堂々と「一緒にお風呂に入ろうよ」と言って俺を連れて行く。その後で「女性体になってね」って言う感じで。 実際女性体の方がリラックスできるってのはある。男性体を維持するための全身の魔力の緊張を解きほぐすには女性体の方がいいんだよな。それに男性体でも顔の見てくれがね……、てことで男性陣は余り一緒に風呂ってくれない。全くこの思春期童貞共め……!  女性陣の方が度胸があると言うか恥じらいがないと言うか、肝が据わっている感じだ。一応男なので極力見ない様にしているけど、向こうは堂々と見て来るし、モロに触って来る。もうね、距離感がわからんのだよ。イヴァとかルティは子供と風呂ってる様な感覚、アガシャもそんな感じだ。まあ大抵はアヤも一緒だしな。と言うかアヤがいないとさすがに気が引ける。 タチが悪いのがユズリハやチェトレ、アリアのアホとくっついて

  • OVERKILL(オーバーキル)~世界が変わろうと巻き込まれ体質は変わらない~   第五章 85  折角だしお祭りを楽しもうか?

     うーん、どうしてこうなった……?  祭典、夕暮れのお祭りの街中をみんなと歩いている俺は浴衣を着ている。いや、浴衣が悪い訳じゃないんよ。なぜピンクの女性用の浴衣もろもろのお祭りセットを着せられているのかということだ。そして仕方ないので勿論、女性体になっている。さすがに男性体の状態では違う意味で着れない。このお祭り堪能セットを用意していたのはやっぱりアリアだが、持って来たのはアヤだ。しかもノリノリで。みんなの分も頼んでいたらしい。「折角だから一緒に可愛い恰好をして、日本の夏祭りとか縁日みたいに過ごしたいなー」 などと目を輝かせて言うから、断れなかった。うーん、困った。着付けも髪の毛の飾り付けも全部アヤとウチのメイド組がやってくれた。もうこれまたノリノリで……。でもね、女性体の時の体を見られるのは何故かすんげー恥ずかしいんだよ。あー、いやマジ勘弁して欲しいけど、アヤがこういうシチュエーションも楽しみたいらしいので、もう今更だなあと逆らわないことにした。段々受け入れていってる自分がいるのは確かだが、アガシャに見られるのだけは一番キツかった。いやマジで。 バトル組の男性陣、エリックにアジーンは男性用の紺色やら暗めの配色の浴衣だ。城内で軽く飲み食いしながら待ってくれていた。って言うかそりゃ気まずいよ、それに俺も男性陣なんだけどね……。そしてユズリハにちょくちょく邪魔され悪戯された。クラーチでの悪夢を思い出すよね、これ……。言っとくけど、昔の日本の伝統みたいなことはしてないぞ。ちゃんと下も穿いてるからな。でも上は勘弁してください。 そしてお祭りセット一式をフル装備で城下に出て来たんだが、浴衣を着ている人が結構いることにも驚いたけど、夜店とか屋台とかも西洋のものと同じくらい日本ぽいのが結構あるんだよ。なんだろなあー、この世界は和洋折衷みたいな感じなんだよなあ。屋台には焼きそばとかたこ焼き、りんご飴、お面とか射的(コルク銃ではなくおもちゃの弓だが)、千本つりみたいなくじ引き(これはまず当たらないからやらない方がいいとみんなには言っておいた)、まあ千里眼や鑑定で視えるしね。うん、でも何だか懐かしい気分になる。 浴衣を初めて着るイヴァやルティは子供の様にはしゃいでいた。アガシャも初めて着たらしいが、少し照れ臭そうだったので、「可愛いし似合ってるぞ」と

Bab Lainnya
Jelajahi dan baca novel bagus secara gratis
Akses gratis ke berbagai novel bagus di aplikasi GoodNovel. Unduh buku yang kamu suka dan baca di mana saja & kapan saja.
Baca buku gratis di Aplikasi
Pindai kode untuk membaca di Aplikasi
DMCA.com Protection Status